みなさんこんにちは。
教育キャリアナビ就活就活編集部のSです!
今回は、皆さんが一度は耳にする教育系大手企業、「ベネッセグループ」と「学研ホールディングス」を紹介していこうと思います。
両社ともに、教育事業だけにとどまらない非常に多彩な事業を展開する【総合系】の教育企業です。
会社としてどんな強みがあり、今後の成長戦略を描いているのかを見ていきましょう。
ベネッセグループ
株式会社ベネッセホールディングス
Benesse=『よく生きる』
企業情報
ホールディングスでは新卒採用を行っていないため、ベネッセグループへの就職は、ベネッセコーポレーションを始めとした事業会社が対象となります。
名称 | 株式会社ベネッセホールディングス |
本社所在地 | 岡山県岡山市北区南方 3−7−17 |
代表者 | 代表取締役社長 小林 仁 |
創業 | 1955年1月28日 |
資本金 | 13,817百万円(2023年3月31日現在) |
「ゆりかごから墓場まで」を実現する多角化戦略
ベネッセグループでは、国内教育、Kids&Family、介護・保育という3つの事業分野による多角化戦略を行っています。
特に、近年の少子高齢化を踏まえ、介護事業にも積極的に参入している点がポイントです。
全体として幅広い事業の展開に加え、育児から介護までという、まさに生まれてから死ぬまでの人のライフスタイルに寄り添う姿勢が特徴です。
エンドユーザーのニーズに向き合い、社会で暮らす人々が「よりよく生きる」ことを実現するサービスを次々世に生み出す、非常にクリエイティブな企業です。
また、ベネッセでは社員を「企画職」として捉えており、どの社員でもアイデアを形にできる社風があります。
よって、身近にいる人々の暮らしをよくするために働きたい人には最適な企業であると言えるでしょう。
①国内教育
ベネッセホールディングスの売り上げの約50%を占める中核事業です。
具体的には、学校教育機関を始めとしたサービスを展開しています。
・通信教育事業 進研ゼミ
・学校教育事業 進研模試・Classiなど
・塾、教室 東京個別指導学院
・社会人、大人 Udemy
特に学校向けでは「ミライシード」というICT教育専用のコンテンツに強みがあります。
その他にも、最近では成人教育としてUdemyを展開しており、さらなる成長を目指しています。
②Kids&Family
こちらは、ホールディングスの16.5%を占めています。
近年では「こどもちゃれんじ」が中国/台湾へ進出しており、さらにはインドを含めた新領域への取り組みを行っています。
・家庭教育 こどもちゃれんじ
・くらし いぬのきもち、ねこのきもち
・妊娠、出産、育児 たまひよ
生活に根付いたサービスを展開することで、利用者の長期的なフォローを目指しています。
特に、ペットや育児といった領域までカバーしている点は他の教育系企業にはない特徴になっています。
③介護・保育
ベネッセでは介護・保育領域の中でも特に「介護」療育に力を入れています。
事業はベネッセスタイルケアが担っており、今後の収益の基盤として期待されています。
・介護 アリアなど
・保育、学童 学童クラブ
介護事業については、現時点における収益は十分ではないものの、今後のニーズの高まりを考えると非常に成長が期待される事業です。今後のさらなる戦略に期待されます。
ベネッセグループ変革事業計画
ベネッセホールディングスは2022年の5月に、会社を取り巻くさまざまな環境の変化をふまえ、中期経営計画に軌道修正を行った変革事業計画を公表しました。
ここには、コロナ禍を踏まえた経営状況の見直しと、今後に向けた新しい戦略が提示されています。
特に特徴的な内容としては、収益基盤を「コア教育」「コア介護」「新領域」の3つに分けて、それぞれが利益の3本の柱となる状態を実現させるという点です。
そしてこの「新領域」の1つとして、インドでの学校教育支援事業が挙げられています。
新たな収益の軸とする海外事業成長させることが目的で、今後さらなる投資が行われるようです。
こちらについては、
ベネッセHD、事業ポートフォリオを変革
コア教育・コア介護・新領域を3本柱に、持続的な利益成長を目指す
にて詳細に説明されているので、ベネッセグループを志望している方はぜひ参考してはいかがでしょうか。
学研グループ
学研ホールディングス
戦後の復興は教育をおいてほかにない
会社情報
名称 | 株式会社学研ホールディングス(GAKKEN HOLDINGS CO.,LTD.) |
本社所在地 | 〒141-8510 東京都品川区西五反田二丁目11番8号 アクセス TEL.03-6431-1001(代表) |
代表者 | 代表取締役社長 宮原 博昭 |
創業 | 昭和22年3月31日55年1月28日 |
資本金 | 19,817百万円 |
医療福祉領域にも注力
学研ホールディングスでは、教育分野、医療福祉分野、その他の分野という3つの事業を展開しています。
また、出版領域においても強いプレゼンスを持ち、図鑑や教材については昔からの高いブランド力があります。
ホールディングス全体の収益もここ数年は好調を維持しており、事業の多角化に成功していると言えます。
今後は医療福祉領域のシェアを拡大しながら、DXやグローバル化にも取り組む方針で、教育に留まらない多角化を目指している挑戦的な企業だと言えます。
①教育分野
学研グループの主力事業として、教育分野では非常に幅広い事業を展開しています。
・学研教室事業
・塾、家庭教師事業
・塾教材開発
・出版コンテンツ
・オンライン・デジタル
・TOKYO GLOBAL GATE WAY (英語でのコミュニケーションを練習できる体験型英語学習施設)
・看護師国家試験 模擬試験事業
・保育所・幼稚園・こども園向け
・小中学校向け、高校・大学向け (教科書や副読本を始めとした教材開発)
・就職支援
②医療福祉分野
学研グループでは、教育分野に次ぐ柱として医療福祉分野に注力しており、全体の収益における割合も増えています。
・高齢者福祉事業
・子育て支援事業
・人材育成
人材育成においては、人材養成事業「学研アカデミー」を行っており、自社だけではなく保育・介護業界全体の人材不足の解決に寄与し、日本社会の課題である少子高齢化対策に貢献することを目的として活動しています。
③その他の分野
教育・医療福祉以外の分野でも幅広い事業を行っています。
・物流事業
・サービス支援事業
・研究所
サービス支援事業では、学研グループ各社の総務・経理・人事・情報システム・広報などの管理及びサポート等の業務を行っており、学研グループの事業活動を支援しています。
中期経営計画
「Gakken2023」は、(中略)デジタル・トランスフォーメーション(DX)を通じた付加価値と生産性の向上により収益力を高め、いかなる不確実性にも翻弄されない強固な礎を構築する決意から、近視眼的になりがちであった従来の2 ヵ年計画を改め、中長期的な視座を持った成長投資を伴う3 ヵ年計画の「Gakken2023」とし、そのスローガンを「揺るぎない成長基盤の確立」と定めました。
中期経営計画「Gakken2023」より
学研ホールディングスでは、コロナ禍を踏まえて中期経営計画の見直しを行っています。
具体的な内容としては、「教育」と「医療福祉」分野における安定的な成長による、『揺るぎない成長基盤の確立』を掲げ、そのためにDXとグローバル化を加速させていくという方針を掲げています。
この二つの事業については、10年後に「DX」が40%以上、「グローバル」が30%以上を収益に占めるように事業を拡大させることを目標として掲げています。
世界における教育のデジタル化が加速している中で、新たなデジタル領域における成長事業が生まれていくかが、企業の成長を握っていると言えるでしょう。
詳しい詳細につきましては、学研ホールディングスのホームページ、グループ中期経営計画より参照可能です。
まとめ
いかがでしたか?
ベネッセグループ、学研ホールディングスともに非常に魅力的かつ挑戦的な企業でしたね。
特に、どちらの企業も教育分野に留まらずに多角化を進めている点が非常に特徴的で、今後の成長戦略に向けて大きな変革の時期を迎えていると言えます。
この背景としては、やはり少子高齢化による日本市場の縮小があります。
実際に、各社ともコロナウイルスの影響を強く受けていたように、教育業界は社会からの影響を強く受ける傾向があります。
今後、教育系の各企業は医療・介護やデジタル・グローバル分野に投資しながら、事業基盤を分散できるかが出来るのかがカギとなるでしょう。
みなさんもぜひ、企業を調べていく際には、収益基盤を確認してみてはいかがでしょうか。
きっと意外な側面が見えてくるかもしれません。
ここまで記事をご覧いただき、ありがとうございました。
今後も皆さんの就活に役に立つ情報を定期的にお届けしていきます。乞うご期待!
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