「石の上にも三年」「就職した会社は3年は続けるべき」という言葉を耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか?
転職が当たり前になっている現代においては、いまのうちから転職事情を把握しておきたいという学生も意外と多いです。
そこで今回は、教育業界特化の転職サービスで何百人と転職活動のサポートさせていただいた経験から、
「教育業界では年度途中退職は危険?」
というテーマで記事を書いていきます。
年度途中での退職のメリット
年度途中での退職には、一般的には多くのデメリットがあるとされます(後述)。
しかし、特定の状況や個々の目標によっては、それが最善の選択となることもあります。以下に、年度途中で退職するメリットを3つ述べます。
健康と福祉の改善
教育職は精神的、身体的ストレスが高い仕事であり、それが健康に悪影響を及ぼすことがあります。
ストレスの原因が職場環境にある場合、年度途中であっても早期に退職することで健康状態を改善し、福祉を増進することができます。
自分の体と心を壊してまでつづけるべき仕事はありません。自身のことを第一に考えて、どうしても辛ければ辞めるのも1つでしょう。
キャリアチャンスの活用
突如として現れる新たなキャリアチャンスは、待っているだけでは得られないことがあります。年度途中であっても、その機会を逃さないために退職を選ぶことは理にかなっています。
ただし、そのチャンスがあなたのキャリア目標と合致していること、それによって得られるメリットが年度途中での退職に伴うリスクを上回ることを確認する必要があります。
パフォーマンスの改善
教育者としてのパフォーマンスが低下している場合、それは職場との不一致、適切な支援の欠如、個々のスキルと仕事内容とのミスマッチなど、さまざまな理由による可能性があります。
このような状況下では、年度途中であっても新たな職場に移ることでパフォーマンスを改善することが期待できます。
以上のように、年度途中での退職は一部の状況下でメリットをもたらすことがあります。
しかしながら、その決定は慎重に考えるべきです。退職の決定は、それがあなた自身のキャリアと幸福、さらには学生と教育機関に与える影響を十分に理解した上でなされるべきです。
年度途中での退職のデメリット
信頼性の損失
教育は一貫性と連続性が重要であり、そのためには教育者が年度を通して一貫した教育を提供することが求められます。
年度途中で退職すると、学生や保護者、同僚教育者からの信頼性が失われる可能性があります。
これは、次の転職活動においても影響を及ぼす可能性があり、新たな雇用者から見て信頼性や責任感を疑われる可能性があります。
組織への影響
教育者が年度途中で退職すると、それは教育機関に大きな影響を与えます。
新しい教育者を急遽見つける必要が生じ、その過程で組織内のリソースが大幅に消費されます。
さらに、教育者の交代は学生にとっても混乱をもたらし、その学習プロセスに悪影響を及ぼす可能性があります。
以上のように、年度途中での退職は信頼性の損失、転職の困難さ、そして組織への影響といったデメリットをもたらす可能性があります。
したがって、それが真に必要であると判断される場合を除き、可能な限り避けるべきであると言えるでしょう。
可能であるなら、最低でも1年は続けられると、次のキャリアへのマイナス影響は少なくなるでしょう。
年度途中で退職せざるを得ない場合
どうしても年度途中で退職せざるを得ない場合、以下の点に気を付けておくとよいでしょう。
できるだけ早く伝える
退職の意思をできるだけ早く、明確に伝えることが重要です。
これにより、教育機関は新たな教育者の探しやスケジュールの調整に時間をかけることができます。
また、同僚や生徒への影響を最小限に抑え、必要なトランジションの準備をするための時間を提供します。
引継ぎを丁寧に行う
年度途中での退職ではなくても引継ぎは丁寧に行うべきですが、後から問題にならないように一層細かく丁寧に引継ぎを行うべきでしょう。
もちろん、自分のことを大切にすべきではありますが、できるだけ残される側のことも考えたうえで、業務などの伝達をしていくべきでしょう。
明確な理由の説明
退職の理由を明確に説明し、それが個人的な理由や避けられない状況によるものであることを伝えることが重要です。
信頼の損失をある程度は防ぐことができ、次にどこかに転職する際にもある程度は理解されることもあります。
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