今回は、最新のデータをもとに、児童発達支援管理責任者(児発管)の平均年収について解説していきます。
施設形態別の児童発達支援管理責任者の給料や他職種との比較、給料の上げ方についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
児童発達支援管理責任者(児発管)の平均年収・給料
【最新】児発管の平均年収・平均月給
児童発達支援管理責任者(児発管)の平均年収について、2023年8月に公表された最新の調査結果を見ていきましょう。
令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)(2023年8月公開)によると、児童発達支援管理責任者の平均給与額は以下のようになっています。
令和4年(2022年)12月 | 令和3年(2022年)12月 | |
平均月給額 | 371,320円 | 364,060円 |
(上記平均月給×12) | *平均年収額4,455,840円 | 4,368,720円 |
資格を有する者・心理指導担当職員・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者に該当する職員の平均給与額
児童発達支援管理責任者の最新(令和4年)の平均月給は37万円、平均年収額は445万円となっており、1年前よりもおよそ7000円upしています。
過去5年の平均月給推移
また、過去5年間の平均月額給与の推移は以下のようになっています。(各年の障害福祉サービス従事者処遇状況等調査:結果の概要 より)
以上のデータから、児童発達支援管理責任者の平均月額給与は36万~37万円程度であることが分かります。
日本全体の中で児発管の給与は高い?低い?
さらに、日本全体での平均給与と比べてみると以下のようになっています。
平均月給額 | |
児童発達支援管理責任者 | 371,320円 |
(平均年収443万円÷12) | 日本全体369,166円 |
※日本全体の給与の参考文献:「令和3年分 民間給与実態統計調査」
後述するように、児童発達支援管理責任者は障害福祉系の他職種と比べると高給与となっていますが、日本の平均と比べるとほぼ同じくらいとなっていることが分かります。
施設形態別 児童発達支援管理責任者の平均年収・給料
つづいて、施設の形態別に児童発達支援管理責任者の年収や給料を見ていきましょう。
先ほどと同様、令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)(2023年8月公開)のデータを参照すると、以下のようになっています。
令和4年(2022年)12月 | 平均月給額 | (平均月給×12) | 平均年収額
全体 | 371,320円 | 4,455,840円 |
児童発達支援 | 352,070円 | 4,224,840円 |
放課後等デイサービス | 329,390円 | 3,952,680円 |
医療型児童発達支援 | 390,380円 | 4,684,560円 |
居宅訪問型児童発達支援 | 417,790円 | 5,013,480円 |
保育所等訪問支援 | 369,380円 | 4,432,560円 |
資格を有する者・心理指導担当職員・サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者・サービス提供責任者に該当する職員の平均給与額
児童発達支援管理責任者の勤務先としてオーソドックスな児童発達支援事業所、放課後等デイサービスでの給与は全体平均を下回るデータとなっています。
その反面、医療型児童発達支援や居宅訪問型などでは全体平均を上回っています。
より専門性が求められる施設形態・サービス形態においては、平均給与も高くなる傾向があるといえるでしょう。
※職員数の比率を見ても、児童発達支援や放課後等デイサービスに比べると医療型児童発達支援や居宅訪問型児童発達支援は非常に少なくなっています。
令和4年(2022年)12月 | 職員数 |
全体 | 4,027 |
児童発達支援 | 128 |
放課後等デイサービス | 128 |
医療型児童発達支援 | 7 |
居宅訪問型児童発達支援 | 18 |
保育所等訪問支援 | 113 |
児発管の給料は他職種より高い?年収比較
以下は、児童指導員&保育士と児童発達支援管理責任者の給与を比べた表となります。
令和4年(2022年)12月 | 平均月給額 | (平均月給×12) | 平均年収額
児童発達支援管理責任者 | 371,320円 | 4,455,840円 |
児童指導員 | 305,130円 | 3,662,560円 |
保育士 | 327,820円 | 3,933,840円 |
参考:令和4年度障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査結果(厚生労働省)(2023年8月公開)
保育士や児童指導員と比べると、児童発達支援管理責任者の平均年収はおよそ50万~80万ほど高いことが分かります。
児童発達支援管理責任者(児発管)が児童福祉分野の他職種より給料が高い理由
業務量の多さや専門性
児童発達支援管理責任者の仕事には、例えば下記のようなものが挙げられます。
- アセスメント
- モニタリング
- 利用者向け見学対応・契約業務
- 個別支援計画書の作成
- 保護者さまの対応
- 関係機関との連絡調整
- 請求業務(場合によっては)
- スタッフの指導や育成
- 送迎業務(場合によっては)
- シフト作成(場合によっては)
- 会議
特に大事な業務である個別支援計画の作成以外にも、事務的な仕事やスタッフの指導・マネジメントなど、業務内容は多岐にわたります。
その分、児童指導員や保育士よりも責任が重くなるため、給料は高くなります。
個別支援計画の作成
アセスメントなどを含めた個別支援計画の作成は、児童発達支援管理責任者の業務として定められています。
<参照>・児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(◆平成24年02月03日厚生労働省令第15号)
個別支援計画作成の大まかな流れは以下のようになっています。(参照:岐阜県資料)
- アセスメント
- 個別支援計画の原案
- 支援会議
- 個別支援計画
- 個別支援計画の実施・モニタリング
詳細は以下の記事をご覧ください。
スタッフの指導やマネジメント
スタッフの育成・マネジメントも児童発達支援管理責任者の重要な仕事となっており、
教室の意思統一やスタッフの指導力の底上げなどをする役割を担っています。
下記の記事でも紹介の通り、大変なこともありますが、その分サービス利用者さんの満足度向上に直結するやりがいのある業務でもあります。
請求業務などがある場合も
施設によっては、請求業務などの管理系の業務を行う場合もあります。
詳しくは以下の記事で解説していますが、ルールや手続きが煩雑だったり、他の事業所さんとのやり取りが発生するなど、負担も大きな仕事になります。
また、施設や教室の管理者を兼務する場合、より責任や業務が重くなります。※その分給料が高くなります。
児童発達支援管理責任者(児発管)が年収・給料を上げるには?
資格取得や管理者兼務
施設さんによっては、取得している資格によって手当等がつく場合もあります。
児童発達支援管理責任者の資格を持っていることはもちろん、他の資格(例:介護福祉士や精神保健福祉士)を取得することで、
より施設にとって必要とされる存在になれば、給料が上がる可能性も高いです。
また、先に説明した通り、管理者を兼務すると給料が上がるケースもあります。
こちらは特段資格が必要ではありませんが、法人にとって欠かせない重大な存在となることで、給料をupさせることが可能です。
勤務年数を長くする
業界的に、勤務年数に応じて基本給などが決まる施設さんが多いです。
専門性を要求される職種でありながら、スキルを客観的に数値化しにくいため、まずは児発管としての勤務経験を積んでいくことが確実です。
実際、求人票等にも勤務年数に応じて給料が上がる旨が記載されているものもあります。
つい抜けがちな視点ではありますが、一番王道かつ確実な方法です。
ただし、同じ法人で勤務を重ねてもなかなか給料が上がる見込みがない場合は、次で解説する通り転職を検討するのもアリでしょう。
給料の良い法人へ転職
給料のよい法人へ転職することも、給料を上げるための方法の1つです。
同じ法人で勤続年数を重ねても大きく給料が上がらない場合は、ぜひ積極的に検討することをおすすめします。
児童発達支援や放課後等デイサービスは、提供しているサービス内容や施設規模、受け入れ人数、運営体制などで国からの報酬が決まってくるため、
「どの法人にいるか」で給料が決まるケースも多いです。
同じ児童発達支援管理責任者でも、とある事業所Aでは月給25万である一方、別事業所Bでは月給30万というケースも珍しくありません。
業務内容や業務量がほぼ同じであったとしても、「どこで働くか」で随分と給料が変わってきてしまいます。
なかなか給料が上がらずに悩んでいる児童発達支援管理責任者の方は、ぜひ転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、児童発達支援管理責任者の給料の実態や給与の上げ方について、最新データなどをもとに解説してきました。
給料を上げたくて悩んでいる児発管の方の参考になれば幸いです!
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