【教員志望の学生も必見】教員から民間企業への転職は想像以上に難しい

目次

教員志望の学生も今から転職事情を知っておくべき理由

キャリアパスと教員の特殊性

まず、学生時代からのキャリアパスの設計は、将来的な生活設計に深く関わる重要なプロセスです。

特に教員を志す学生は、一度学校の教壇に立つとその職場環境から離れることは困難であるという現実を知っておくべきです。しかし、なぜそのような事情を今から理解しておくべきなのでしょうか。

教員という職業は、教育への情熱、教えるスキル、そして一定の知識を必要とする特殊な仕事です。その特殊性が、教員から他の業種への転職を困難にしています。

また、長い時間を掛けて獲得した教員としてのスキルセットや経験が、民間企業では直接的に活かしにくい場合が多いのです。

逆に、民間企業で求められるビジネススキルや知識が、教員としてのキャリアを積む中ではあまり身につけられないという実態もあります。

いつ教員から転職したくなるか分からない

そのため、教員を志す学生は、将来的に職業選択の幅を広げるため、今からでも転職事情を理解し、多様なスキルを身につけておくことが重要です。

特に、コミュニケーションスキル、プロジェクト管理スキル、ITリテラシーなどは、教員だけでなく、どの職業においても価値が認められるスキルです。

万が一、自身が思うような教員生活が送れなかった場合や、教職以外で自分自身を試したいと思ったときに、事前に備えておくことで、より多くの選択肢を持つことができます。

教員という一途な道だけではなく、多様な視点から自身のキャリアを見つめ直し、自分自身の可能性を最大限に引き出すためには、今からでも転職事情を理解し、対策を練ることが肝心なのです。

かくいう私も、ずっと教員を目指してきて教員採用試験にも合格しましたが、とあることがきっかけで教員以外の道へ進んだ人間の一人です。

なぜ教員からの転職は難しいのか

上記で述べた教員の特殊性も含めて、教員からの転職が難しい主な理由を以下に挙げます。

・民間企業で生かせるビジネススキルや経験が不足している
・未経験からの転職の場合が多く、転職で給料が下がってしまう
・部活指導や残業などで転職活動を行う時間がとれない
・転職の時期が限定されている(ほどんどが3月末退職)

詳細はこちら記事で記載していますので、気になる方は是非チェックしてみてください。

教育業界特化の転職サービスでの実例

弊社運営の教育業界特化転職サービス「教育キャリアナビ」で何百人と転職相談をしてきた事例の中からエピソードを紹介します。

事例1

・20代後半
・高校理系科目の教員
・残業や部活指導でしんどいから転職したい
・転職先の希望は民間企業で教材制作系

教えていた経験を生かして教材制作をしているような企業に転職をしたいというご希望でした。

しかしながら、そもそも企業の募集が少なかったり、応募したけど書類で落ちてしまったりと、弊社の力不足もあり、教材制作系への転職は中々うまくいきませんでした。

教材制作にはもちろん教科指導の経験は生かせるのですが、

デザイナーやエンジニアなど様々なステークホルダーと協力して仕事をしたり、場合によってはお客さんとコミュニケーションを取ってカスタマーサクセスのような動きをしたりと、思いのほか様々なスキルが要求されます。

最終的には、志望の職種を変えることで転職先が決定しましたが、転職の難しさを実感することとなりました。

事例2

・20代半ば(第二新卒)
・中学文系科目の教員
・日々の業務量が多いので転職したい
・転職先の希望は民間企業で営業職に興味あり

SNSや転職エージェント会社の解説記事などでは、教員からの転職先としてたびたび「営業職」の名前が挙がります。

生徒に対する説明能力を生かせる職種として、営業が良いという文脈で紹介があるのですが、こちらもなかなか難しいケースが多いです。

教員と同程度の年収を維持したいとなった場合、求人の応募要件に「営業経験●年以上」という記載があることがほとんどで、応募自体が難しくなります。

当然、未経験でも受け入れてくれる求人もありますが、年収が大きく下がってしまうケースが多いです。

冒頭でも記載の通り、教員という仕事の特殊性がゆえに、希望をすべてかなえる転職というのは相当ハードルが高くなってしまうのが現実です。

教員から転職をする場合のキャリアプラン例

あくまで例えばですが、もし教員から民間企業へ転職をしたい場合のキャリアプランを2つご紹介します。

塾予備校へ転職し、営業や集客の経験も積む

教員から直で民間企業(教える業務以外)へ転職するのが難しい場合、キャリアを工夫する必要があります。

塾予備校であれば、教壇に立っていた経験が有利になり、比較的転職はしやいと言えるでしょう。

さらに、講師業務以外にも、集客や営業の経験が積める場合もあります。

まずはそういった経験できる塾予備校へ転職し、民間企業で生かしやすい集客・営業の経験をしっかり積むことで、その先の転職に生かすことができます。

もちろん、塾予備校の中でキャリアアップもしやすくなりますし、塾から転職をしないという選択肢も前向きに検討できる可能性が高まります。

通信制高校への転職

近年急成長中の通信制高校への転職もおすすめの1つです。
※通信制高校の生徒数は2017→2022年度にかけて5.5万人増加(文部科学省「学校基本調査」より)

通信制高校は、様々な事情やライフスタイルに合わせて学べる、新しい形の高等教育の一つです。

これまで通信制高校は消極的な選択とされていましたが、最近では積極的な選択肢の1つとなっています。生徒の中には、自分の進路が決まっていて時間を有効に使いたい、あるいは課外授業を通して将来やりたいことや夢を見つけたいという目的で入学する者も増えています。

詳しくはこちらをご覧ください。

働く側の視点では、部活指導で土日も出勤したり、膨大な残業に追われたりすることも非常に少なく、働きやすい環境なことが多いです。(運営している会社が上場企業の場合もあるため、労働環境の管理はしっかりしています。)

また、キャンパス長にキャリアアップができたり、広報・集客などの職種もあったりするため、民間企業でも生かせる経験・スキルを身に着けることが出来る場合もあります。

まとめ

教員からの転職は想像以上に難しいです。もちろん、キャリアを工夫すれば、転職の可能性も広がりますが、その特殊性には学生のうちから頭に入れておくべきでしょう。

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この記事を書いた人

クロスシップでは「学ぶこと」を以下のように定義し、活動しています。

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「学ぶこと」≒「個人の幸せ及び社会の発展に資する能力を獲得しつづけること」≒「認知能力、非認知能力をバランスよく育みつづけること」

※非認知能力は文部科学省「中央教育審議会」でもその重要性が唱えられています。

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その活動の一環として、教育業界に特化した就活支援を行っています。

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