今回の記事では、サービス管理責任者(以下サビ管)として、就労継続支援B型事業所で働くメリット・デメリットについて見ていきます。この記事は、利用者向けの記事ではありませんので、ご了承ください。
サビ管として既に働いてる人も、そうではない人も、就労継続支援A型とB型の違いやB型事業所で働く上での業務内容の違い、類似職との比較について理解できる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
就労継続支援B型事業所とは?
就労継続支援B型事業所の役割と特徴
就労継続支援B型事業所には、障がいの程度により一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供するという役割があります。
また、利用者は一般就労するために必要な知識やスキルを身につけられるよう訓練や支援を受けたりすることができます。
B型事業所では「生産活動」をおこない、その対価として「工賃」を受け取ることができます。
特徴としては、利用者は雇用契約を結ばずに作業ができる点が挙げられます。
上記に述べたように「工賃」とされているのは、雇用契約を結んでいないためです。
そのため、利用者は、各自の体調やコンディションに合わせて柔軟に通うことができるというメリットがあります。
就労継続支援B型事業所のサービス管理責任者の仕事内容
B型事業所におけるサビ管の仕事内容について説明します。大きくまとめると以下の4つになります。
①個別支援計画の作成
個別支援計画の作成は、サービス管理責任者の最も代表的な役割になります。
利用者の障がい特性、現在の状況、将来的な目標などを詳細に含めた計画です。利用者本人やその家族と面談を行い、個別支援計画を作成していきます。
②個別支援計画のモニタリングと評価
実際に個別支援計画を作成した後は、実施状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて計画の修正を行います。
利用者が目標に近づいているかを確認し、進捗を記録します。
③現場職員への指導と助言
管理責任者としての役割として、現場職員への指導と助言と職員のスキルアップを目的とした研修の企画や実施も行い、チームマネジメントを通じて支援の質を維持します。
④関係機関との連絡調整
関連機関との連絡調整も行います。医療機関、障害福祉サービス事業所、その他の関係機関との連携をとり、包括的なサポート体制を構築します。
利用者に合ったサービスが提供されるよう、調整を行います。
B型事業所の種類と利用者に対するサービス内容
B型事業所の種類とサービス内容について見ていきます。B型事業所における利用者の作業内容は、主に「生産活動」と呼ばれています。
同じ就労継続支援事業所に分類されるA型事業所より細分化された作業が多くあります。具体的には、以下のようなものがあります。
・清掃業務
・農作業
・パンやお菓子などの製造
・発送作業
・ミシン作業や手工芸
・簡単なパソコン入力作業
・簡単な袋詰めや値札付け
就労継続支援A型事業所との違い
就労継続支援A型事業所とB型事業所は、どちらも障害者総合支援法に基づいて障害福祉サービスを受けることができるという点で共通しています。
しかし、大きな違いとしては、雇用契約を結ぶか否かという点であると考えられます。
これは利用者の利用目的が異なるからです。
A型事業所は、一般企業で働くことは難しいものの、一定の支援があれば雇用契約に基づいて働くことができる利用者が対象です。
そのため、利用者は事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が保障されています。
一方、B型事業所は、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方向けに、就労の機会や生産活動の場を提供するサービスです。
雇用契約を結んでいないため、作業の対価としては給与ではなく「工賃」が支給されます。
就労A型と就労B型のサビ管としての業務内容の違い
次に、サビ管として働く上でのA型、B型事業所の違いを説明します。
A型事業所では、利用者の一般就労に近い形での就労機会提供をしています。
一方、B型事業所では利用者が自立して就労できるようにより柔軟な形での就労機会と訓練提供するということに重点を置いています。
基本的な内容は似ていますが、それぞれ若干異なるので比較していこうと思います。
A型事業所 | B型事業所 | |
支援の目的と内容 | 雇用契約に基づく就労支援が中心で、一般就労に近い形での支援を行う | より柔軟な形での就労機会と訓練を提供し、個々のニーズに応じた支援を行う |
雇用契約に基づく就労条件(勤務時間、日数など)を考慮した計画を立てます。 最低賃金保障のため、生産性向上に関する目標を含めることもあります。 | 個々の障害特性や体調に合わせた柔軟な目標設定を行います。 就労だけでなく、日常生活や社会参加に関する支援目標も含めます。 利用者のペースに合わせた段階的な支援計画を立案します。 | |
企業や就労支援機関との連携が多い | 福祉サービスや医療機関との連携が比較的多い | |
就労支援技術や労務管理に関する指導が中心 | 多様な支援技術や個別対応に関する指導が重要 |
就労継続支援B型のサービス管理責任者のメリット
サビ管として就労継続支援B型事業所で働くメリットについて、就労継続支援A型、グループホーム、就労移行支援、定着支援の特徴を簡単に踏まえながら、比較して見ていきたいと思います。
A型事業所との比較について
業務内容は類似していますが、就労継続支援A型はより一般就労に近い形での就労機会提供となります。
そのため、どちからというと、一般の会社・事業所に近いと言えるでしょう。
一方、B型事業所の方が福祉サービスや医療機関との連携が比較的多いため、
福祉のイメージが強い事業所で働きたい場合は、B型事業所の方がマッチしていると言えます。
グループホームとの比較について
グループホームの業務内容は、利用者の介護や健康管理が中心になります。
そのため、グループホームは夜勤や肉体的にきつい業務内容が多くなります。
一方、B型事業所でサビ管の業務内容は利用者や職員のマネジメントが中心になるので、比較的安定した労働形態で働けると予想されます。
就労定着支援者との比較について
就労定着支援者は、就労移行などを経て一般就労に移行した障がい者を対象に、就労定着の支援を行います。
具体的には、利用者と企業側担当者との間に立ち、双方からヒアリングを通じて、利用者が一般就労に定着できるようにする職業です。
また、利用者の就職を目標に、ワードプレス活動しています。業務内容が事務的になってしまうという点です。利用者一人一人の成長に携わりたいという人にとっては、B型事業所でサビ管として働く方が向いていると言えます。
就労移行事務所との比較について
就労移行事務所は、障がいをもつ利用者に対して一定期間をかけて就職活動を支援するという目的があります。
個別支援計画の作成という点では共通していますが、サビ管として関連機関との連絡や企業実習、新規企業開拓などの業務が重なります。
福祉以外の業務を課せられるため、障害福祉に携わりたい人にとってはB型事業所が適しているのではないかと考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまでの内容をまとめると、A型事業所は、利用者の就職や一般就労を目指し、労働契約を結びながら就労支援をするという役割があります。
サビ管としては、利用者の支援のみならず、事務所の黒字化に尽力したりする必要があります。
一方、B型事業所は、利用者の自立や就労訓練に重点を置き、労働契約を結ばずに支援するという違いがあります。
サビ管として働く上では、B型事業所の方が比較的個人のニーズに合わせて支援し、成長を実感しやすいという働き甲斐があります。
この記事を参考に、読者の方々にピッタリの職種を選択していただければ幸いです。
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