今回の記事では、サービス管理責任者(以下サビ管)として、就労移行支援事務所で働くメリットについて見ていきます。利用者向けの記事ではありませんのでご了承ください。
一言に福祉職といっても、サビ管として働くことのできる職種は沢山あります。就労継続支援、就労定着支援、グループホーム….など、文字面だけみても違いがわかりにくいものが多くあります。
今回は、それぞれの違いについて簡単に触れながら、就労移行支援事業所の詳細やサビ管として就労移行支援事業所で働く上でのメリットについて説明していこうと思います。
最後までご覧になっていただけると幸いです。
就労移行事業所とは?
就労移行事業所の役割と特徴
就労移行事業所は、障がいを持つ方々の一般就労を支援することを目的としています。
利用者は一定期間かけて就職のための職務訓練を行ったり、履歴書の作成を行ったりします。
施設の外に出て、職務実習を行ったり、就職活動時の面接の同行まで行ったりします。ある種の職務学校のような役割を果たしており、利用者は一日の中で区切られたコマの中で職務訓練などを行います。
就労移行事業所のサービス管理責任者の仕事内容
就労移行支援事業所における想定されるサビ管の仕事内容について説明します。
大きくまとめると以下のようになります。
個別支援計画の作成と実施
サビ管として必須の業務である個別支援計画の作成、モニタリングを実施します。
利用者個人個人にフォーカスして、それぞれのニーズに合った個別支援計画の作成を行います。就労移行事業所ならではの特色としては、利用者の就職を大きなゴールとして、それに向けた逆算的な計画の作成が考えられます。
就労に必要な知識・能力向上のための訓練
職場でのコミュニケーション術やビジネスマナー講習といった、社会人に求められる基本スキルの実習を行います。事業所によっては、より専門性の高いスキルを提供したりすることもあります。予め事業所について調べておくことが重要です。
事業所によって訓練の内容は異なりますが、基本的にどの企業でも用いられそうなWord、Excel、PowerPointなどに関するPCスキルの指導を行うこともあります。
就職活動支援
利用者の就職を達成させるために、履歴書の作成や面接練習などの具体的な就活対策を行います。加えて、利用者がスムーズに就職できるように関連企業との連絡を取ったり、ハローワークとの連携を取ったりします。
時には、就職先の候補となる企業の新規開拓を行うこともあります。この点は他の福祉事務所と異なる点だと考えられます。
職場体験・実習の提供
大きな役割の一つとして、利用者に対する職場体験や社会実習の機会提供・同行もあります。それに関わる事務手続きを行ったりもします。
就職後の定着支援
利用者を就職させるということがゴールですが、就職後の定着支援を行うこともあります。特に、精神的な障害を抱えている人の職場定着が大きな課題になっているため、就職後も一定期間、定期面談を行うことで支援を続けることがあります。
生活面のサポート
利用者が安心して健康に継続的に通所できることも重要になってきます。
健康面、メンタル面に合せて適切なサポートを行うことが求められます。
就労移行支援事務所と就労継続支援施設の比較
これまで、就労移行支援事業所の特徴と、サビ管として働く業務内容について確認してきました。
以下では、就労継続支援と就労移行支援の業務内容の違いを確認したうえで、それぞれのメリットや特徴について説明していきます。
モニタリングの頻度
サビ管として就労移行支援と就労継続支援で働く大きな違いとして、モニタリングの頻度が挙げられます。
就労移行支援が3ヶ月に1度なのに対し、就労継続支援が6ヶ月に1度であり、就労移行支援の方がモニタリングの頻度が多いと言えるでしょう。
モニタリングの頻度が高いということは、サビ管としての業務内容も大変になりガチです。
業態 | 就労継続支援A型 | 就労継続支援B型 | 就労移行支援 |
利用者 | ある程度の就業能力のある方 | 年齢・体力面で就労Aが難しい方 | 一般企業への就職を希望の方 |
配置基準 | 60人に1人 | 60人に1人 | 60人に1人 |
モニタリング | 6か月に1回 | 6か月に1回 | 3か月に1回 |
A型事業所との比較について
サビ管として働く上で代表的なものとして、就労継続事務所A型事業所があります。
こちらは事業所と、障害を持つ利用者の間で労働契約を結び最低賃金以上の給与を保障しながら、一般企業で就労することができるように労働訓練を行うという福祉施設です。
B型事業所との比較について
就労継続事務所B型事業所もサビ管として働く上で代表的な事業所の一つです。
こちらはA型事業所と異なり、一般企業で働くことが難しい利用者をサポートしながら労働訓練を重ねるというものです。
利用者の自立、支援に重点を置いているので、より福祉職の色が濃くなっています。
利用者と最も深く携われますが、就労移行支援に比べて、目標が曖昧になってしまうため、ハッキリとした目標を持って働きたい人には、就労移行支援が向いていると言えます。
就労移行支援 | 就労継続支援 | |
就労スキルの向上、求職活動、職場開拓に重点を置きます。 | 就労機会の提供と生産活動を通じた支援に焦点を当てます | |
一般企業や就労支援機関との連携が多くなります | 福祉サービスや医療機関との連携も重要になります |
就労移行支援施設とグループホームの比較
グループホームとの比較について
グループホームの業務内容は、利用者の介護や健康管理が中心になります。
そのため、夜勤や肉体的にきつい業務内容が多くなります。
利用者と一対一で関わる時間が長くなる傾向にあり、それぞれに合った対応ができることが求められます。
一方で、就労移行事務所は基本的に日中に業務を行います。最近では労働時間をしっかり遵守する事業所が増えているようです。
就労移行事務所でサビ管として働くのに向いている人の特徴
就労移行事業所の目的は、利用者を就職させるということです。そのため、サビ管として働く上では、利用者の目的に対して、逆算して計画的に業務を進めることが得意な人が向いています。
さらには、コミュニケーションスキルが高く、もしくは好きで、利用者の本音を引き出せる人が向いていると思います。
他の事業所では、利用者の快適さであったり、安定した就業を目指しています。それに比べて、目標が就職という明確なものであるという点が大きな違いになっています。
計画的に業務を進めることが得意な人、利用者の目標達成のために熱心に働ける人、やりがいを感じる人にとってはピッタリの業種になると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまでの内容をまとめると、就労移行事務所は、利用者の就職という目標に向かって、逆算して計画を立てて支援するという特徴があります。
福祉職として利用者の支援のみならず、就職訓練であったり、ビジネスマナーの指導、提携企業の新規開拓業務など多岐にわたります。他の類似職と比べても業務量が多いですが、その分報酬も多くもらえます。
コミュニケーション能力が高い人、サビ管をしながら利用者へのコンサルティング能力を活かしたい人にはピッタリの職業になっています。
この記事を参考に、読者の方々に合う職種を選択していただければ幸いです。
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