みなさんこんにちは。教育picks編集部です!
今なにかと話題の「ChatGPT」を始めとした生成AIですが、これは夏休みの自由研究に使えるのでしょうか。
そして、上手く自由研究とAIを組み合わせることが出来ないのか、文部科学省が発表したガイドラインを踏まえながら、簡単な活用例をご紹介していこうと思います!
生成AIにまつわるガイドラインとは
文部科学省は令和5年7月、「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」という指導方針を発表しました。
ガイドラインの中では、生成AIの教育利用に関する「基本的な考え方」として、現時点では限定的な利用から始めることが適切であるとされています。
また、すべての学校で情報活用能力を育む教育活動を一層充実させ、AI時代に必要な資質・能力の向上を図る必要があると強調されています。
文部科学省は生成AIは新たな情報技術であり、多くの社会人が生産性の向上に活用しているものと捉えており、「どのような仕組みで動いているかという理解や、どのように学びに活かしていくかという視点、近い将来使いこなすための力を意識的に育てていく姿勢は重要である」としています。
なお、このガイドラインは、2023年6月末日時点の知見をもとに、暫定的に取りまとめたものであり、今後も機動的に改訂を行う予定となっています。
このガイドラインからは、政府が今後の社会情勢を踏まえ、AIを適切に理解し、活用できる人材の育成を視野に入れたガイドラインを作成していることが分かります。
.
.
AIの正しい活用方法とは
ガイドラインにおいては、生成AIの概要の解説から始まり、教育のための利用における基本的な考え方を示しています。
その際、活用におけるポジティブ・ネガティブ双方の例を挙げたり、読書感想文やコンクールへ応募する文章を作成するケースにおいての留意事項をまとめたりしています。
では、実際にどのような活用方法が望ましいのでしょうか。
ポジティブな活用法
・グループディスカッションにおける活用
生成AIは、大量のデータベースをもとに、あらゆる可能性を検討し、複数の回答を提示することに優れています。
よって、生徒同士のディスカッションを行う中で、足りない視点を補ったり、まとめを行う部分で補助的に活用することで、より多面的な議論へと深めていくことが可能とされています。
また、参考資料の提示やファクトチェックとしての活用も効果的で、時間的な制限のある中で、主体的で対話的な深い学びを実現するための手段として活用されることが望ましいとされています。
・文章スキル向上のための活用
生成AIは、極めて高い言語能力を有しており、言語を高いレベルで出力します。
その特性を生かし、例えばスピーチ原稿のたたき台を作成する、といったような活用方法が可能です。
また、自分で作成した文章を生成AIに添削してもらい、より良い表現方法や段落構成が出来ないか、相談することが出来ます。
こうした活用方法により、より読みやすい文章を作成することが出来るようになり、日本語能力の向上が期待されます。
なお、使い方によっては文章の創造性を失うことにもなりかねないことから、あくまでも練習したり相談相手としてAIを文章作成の際に活用する、という意識を持つことが大切です。
・英語学習に活用
生成AIは後述した通り、非常に高度な言語機能を有しています。これに関しては、日本語に留まらず英語にも同様のことが言えます。
生成AIを英語学習の中で活用する例としては、日本語から自然な英文を作成させたり、自分が作成した英文に対する改善点を指摘してもらうといった活用例が挙げられます。
また、音声機能を利用することであたかも人と話しているような気分を味わうことが出来るなど、テクノロジーを上手く組み合わせることで、より柔軟な学習方法が実現可能です。
日本では英語を活用できる人材が不足している背景もあり、今後の英語学習においては生成AIの存在が大きく影響を及ぼすことが予測されます。
AIを活用する方法の具体例
以上を踏まえると、子供が夏休みの自由研究レポートを作成する際に、文章を構成したり、誤りがないかを指摘してもらう【たたき台】の作成に大きく役に立つと言えそうです。
例えば、根本的な部分は自ら考え、アイデアを膨らませつつも、より良い選択肢がないかを考えたり、上手いまとめ方が無いかを聞いてみることで、より完成度の高い自由研究に仕上げることが出来るはずです。
あくまでAIは相談役として、どうしても行き詰ってしまった際に、質問を投げかけるといった使い方に限定することが望ましいでしょう。
ネガティブな活用法
生成物を提出物として活用する
ガイドラインでは「長期休業中の課題等について(文章作成に関わるもの)」について、読書感想文や日記、レポート等を具体例として挙げながら、生成AIによる生成物を個人の作品として提出する行為を相応しくないとしています。
生徒自身の考えやアイデアが求められるような、独創性が必要とされる場面での使用は控えるべきでしょう。
問題を解くために活用する
例えば、ドリルやテストの問題を解くためにAIを用いる行為が該当します。
数学に対応したAIなど、問題を解くことに優れたAIが数多く存在していますが、それらのAIに代わりに問題を解いてもらう行為は、当然ながら生徒自身の成長を阻害するため、好ましくありません。
学校の成績は本人の成長や努力の課程を評価するために機能しており、AIによる代替はこうした評価を困難にするという観点から、好ましくない例として指摘されています。
AIについてのモラルを学ばずに活用する
AIにまつわるメリット・デメリットを十分に理解することなく、AIを活用することも相応しくないとされています。
AIとは、大量のデータベースを学習した上で動いている集合知でもあるため、広義の意味で情報データベースと変わりません。
よって、情報モラルを含む情報活用能力が十分に育成されていない状態で、盲目的なAIの利用は、将来的な思考力を奪うことになりかねないと言えます。
近年では、生成AIの利用に年齢制限を設けたり、保護者との利用を義務付けるといった動きも出てきています。
教育現場においては、AIの活用と情報モラルの徹底の両面から取り組みが行われていくことが予想されます。
各家庭においても、日常の使い方についてしっかりと話し合いを行っていくことが大切だと言えるでしょう。
イベント紹介
今や社会活動においても大きな影響力を持つようになったAIですが、今後はこのAIを理解し、適切な向き合い方を身に着けていくことが求められそうです。
文部科学省によるガイドラインが発表され、AIの活用について何かと話題が集まる今こそ、改めてAIについて学ぶいい機会ではないでしょうか。
ここで宣伝ではありますが、クロスシップ株式会社では、この夏、
AIについて学ぶ自由研究ワークショップを開催します。
デザインアプリcanvaに備わっているAIを活用して、オリジナルの本を作成したり、AIについての考察をする内容となっています。
子どもの探求心を深めつつ、これからの時代に必要なAIと向き合う力をぜひ、育ててみませんか?
ぜひ、お待ちしております!
会社情報
Company
会社情報 |
会社名 X-ship クロス・シップ |
設立 2022年2月22日 |
所在地 東京都港区芝浦3-1-5 テクス芝浦 3階 |
電話番号 03-6435-2071 |
代表者 野崎智成 |