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【指導要領改訂】日本史探究とは?〜従来の歴史教育と未来社会への歴史教育〜

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今、日本の歴史教育が大きく動こうとしていることをご存知でしょうか?

日本史と世界史の双方を学ぶ「歴史総合」の後に選択する「探究」の科目に「世界史探究」、「日本史探究」が存在します。

今回はそのうちの「日本史探究」について解説していきましょう。

目次

なぜ「日本史探究」に改訂されるのか?

背景

平成30年度に行われた高等学校学習指導要領の改訂は平成21年度の指導要領改訂から9年ぶりのことでした。

その間、AIの進歩や2022年度からの成人年齢の18歳への引き下げなど

高校生にとって政治と社会、そしてそれに紐づく学びはより身近なものになっていくと考えられ、新しい時代に即した学びを実現できるよう、改訂されました。

その内容は

「生徒が未来社会を切り拓く力を身につける」

「現行の指導要領の枠組みと教育内容を維持した上で、知識の理解と学力の育成」

「豊かな心と健やかな体の育成」

が基本方針として示され、特に「未来社会を切り拓く」ためには主体的かつ対話的で深い学びを重要視しています

名称改訂理由

日本史研究は従来の日本史Bに該当する科目です。

高校生が主に二年次から学ぶ科目ですが、なぜ名称を変えたのか、新指導要領ではこのように記しています。

『高等学校においては、社会で求められる資質・能力を全ての生徒に育み、生徒一人一人を生涯にわたって探究を深める未来の創り手として送り出していくことが、これまで以上に重要』

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/11/22/1407196_21_1_1_2.pdf

「日本史探究」の内容は?どのように学ぶのか?

日本史を学ぶことによって現代の日本の諸課題をその未来展望を探究することを重要視しています。

これは社会的事象を歴史的事象として見ることで現代日本の諸課題を追究、解決に導く力を養い、グローバル社会の中で活躍できるような能力の育成を目指しています

2022年度春から始まった社会科目の新指導要領に基づき、必修科目の「歴史総合」の後に選択される科目であるため、

指導要領における現行地理歴史科目では前述のように変化していく社会への適応と未来社会の切り拓く力の異屈性には不十分であると考えられています。

私立高校の学習内容は千差万別ありますが、指導要領に基づき発展的な内容を付加する場合もあれば、省略する場合もあります。文理別の差もここに現れると言えるでしょう。

従来の地理歴史科目では主体的に学ぶ姿勢の改善は見られるものの、自ら課題を解決する自主性や問題の多面的及び多角的な理解と考察が不十分であること、

また歴史事象との関連付けが不明確であることが問題とされています。

その問題解決のため、名称とその教育内容を進化させています。

「日本史探究」と「世界史探究」を分ける理由は?

歴史総合にて近代から現代にかけて世界と日本の歴史を学んだ高校生たちが何故日本史か世界史か選ばなければならないのでしょうか。

歴史は連綿と続くひとつの流れであるために、古代から現代にかけて学ぶことで学習効果が高くなります。

しかし、高校生は歴史以外にも学ぶことが義務付けられている教科がたくさんあるのが現実です。

日本史探求と世界史探求どちらも学んでいると他にも受験等に必要な科目が学びきれなくなってしまうのです。

加えて、日本史探究には地理歴史科目全体の目標の他に「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の三つの主題によって主柱が構成されています。

この主柱の違いが他の科目との区別となっています。学ぶ内容は従来の日本史Bに基づき、古代から近現代の日本の歴史についてですが「学びに向かう力、人間性等」の育成に伴い、

その授業内容には社会的事象を歴史的に考察する議論などを含めるようにすることで「思考力、判断力、表現力等」が養われ、その議論に必要な知識を学ぶ、という形式が推奨されています。

この形式は従来の暗記型に偏った日本史Bとは明確な違いと言えます。

そしてこの主柱から生じる「日本国民としての自覚と愛国心、そして他国への尊重を養う」ことが明確な世界史探究との差です。自国の文化を学ぶことで先人への尊敬の念と他国とその文化への尊重が養われるのです。

日本史探究で見える歴史教育の今後

今回の指導要領改訂の中には高大持続改革というものも含まれています。

大学入学時の試験の仕様によって高等学校教育の授業内容が決定されていくことを問題視し、本来の目指すべき教育改革になっていないのではないかという提起です。

これを変えていくにはまず、各高校教師が卒業までに必要な能力及び資質を授業の在り方から考えていくことが必要です。

この問題から脱することができないうちには未来社会を切り拓くことや主体的な学びは遠いもののままでしょう。

また、主体的かつ対話的な学びには歴史教育における従来の暗記型の学習方法では不十分であるため、マーク式の受験方法が主である私立大学の受験方法の変革が歴史教育の変革に繋がると考えます

まず知識の取得方法として暗記は有用ですが、覚えただけでは知識は生きるための武器とはなり得ません。その知識の活用方法として日本史探究の主体的かつ対話的な教育内容はその一歩として大きなものであると言えます。

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