サービス管理責任者(サビ管)の仕事がきつい理由と対処法を解説

「サービス管理責任者(サビ管)の仕事ってきついな、、」と感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

今回は、サービス管理責任者(サビ管)の仕事がきつい7つのよくある理由に関して、きつい理由の背景や体験記などの詳細を解説していきます。

知り合いのサビ管から聞いた話なども踏まえて、具体的な対処法等も併せて解説していきますので、ぜひご覧ください。

目次

サービス管理責任者(サビ管)の主な仕事内容

サービス管理責任者(サビ管)のきつい理由を確認する前に、サビ管の仕事内容を一度整理しておきましょう。

サービス管理責任者が行う主な業務には以下のようなものがあります。(事業所によって異なる場合もありますので一例です)

サービス管理責任者の主な仕事例

●個別支援計画の作成
アセスメントや支援会議の実施、モニタリングなども含みます。
個別支援計画についてはこちらの記事で解説しています。

●利用者の見学対応や契約業務
施設への入所を考えている利用者さんへの対応です。

●人材育成
スタッフの療育スキルアップのために指導や研修の実施も行います。

●ご家族様対応
利用者さんのご家族様への報告や伝達も大切な仕事になります。

●請求業務
法人によっては国への請求業務をサビ管が行っている場合もあります。

●送迎業務
自宅と施設間などの送迎をサビ管が行う場合もあります。
ぱっと挙げただけでも、サービス管理責任者(サビ管)の仕事内容は多岐にわたり、きつさや大変さを感じてしまうのもうなずけます。

※それぞれの業務の詳細は以下の記事でも解説しております。

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次のセクションでは、サービス管理責任者がきつい理由に関して詳細を見ていきます。

サービス管理責任者(サビ管)がきつい7個の理由

夜勤がある場合

サビ管は基本的にデスクワークが中心ですが、提供している障害福祉サービスや事業所によっては夜勤が必要なケースがあります。

特に、グループホームや入所系の施設では夜勤を担当することが頻繁にあります。

具体的には、

・定時の排泄介助
・寝たきりの利用者への体位変換
・朝食の準備
・介護記録や健康記録を作成
・日勤者への引継ぎ
・夜間の見回り

などがあります。

支援員が足りてない場合や緊急時の場合はサビ管が支援員と同じような仕事をこなすことがあります。

しかし、夜勤を行う場合の注意点がいくつかあります。

サービス管理責任者が夜勤を担当する場合、管理者との兼務が認められている場合でも、立場ごとに勤務時間を分けて管理し、規定を満たすことが必要です。


また、夜勤が頻繁に発生する場合は、体力的な負担や労働基準法の遵守を考慮する必要があります。

業務量が多いから

サビ管のメイン業務は、個別支援計画の策定です。

個別支援計画は最長でも半年ごとの見直しが定められており、途切れないように策定しなければなりません。

策定の1ヵ月前くらいには本人やご家族様とモニタリング面談を行い、個別支援計画の原案を作成します。

原案を基にカンファレンス会議を開き、本人やご家族様、スタッフなどの意見を集約して個別支援計画を策定しなければなりません。

この全ての業務にサビ管は関わります。

特に新年度になる4月は、新規利用希望者の面談・個別支援計画策定も多くなる時期です。

この時期は特にキツさを感じるサビ管の方も多いのではないでしょうか?

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スタッフへの指導が大変だから

未経験のスタッフや特定年齢のみの指導を必要とする業務が多い業界です。

利用者さんにどう声を掛ければよいか、病気や薬への知識、介助や記録の記入方法など、多くを指導しなければなりません。

楽しく仕事を続けつつ、知識や技術などを身に着けられるように指導法や声の掛け方を考えるのも、サビ管の大切な仕事です。

スタッフ個人の性格や考え方等に合わせた適切な指導法に悩むこともあるでしょう。

仕事に対する価値観や考え方が合わないスタッフをまとめるのは精神的な苦労が多いものです。

この悩みは、知り合いのサビ管からもよく聞く話です。

スタッフ指導の悩み例とその対処法例は以下の記事をご覧ください!

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会社や上司と方針が合わないから

売り上げを重視しないと会社としては成り立ちませんが、売上ばかりを追いかけると本来の福祉からは外れてしまいます。

実際にあった例として、売り上げアップを一番とする会社に、確固たる福祉像があるサビ管の方が働いていたことがああり、方針が合わずにしんどくなってしまうということがありました。

また、会社の規模が大きくなったり、代表が変わったりすることによって、方針が急に変更になってしまう場合もあります。

どのような理念を持った会社なのかは、働く上で重要です。

自身が描くキャリアプランを叶えられる会社なのかを見極め、活き活きと仕事ができることが理想です。

もし今働いている法人・施設で方針が合わなくなって、精神的にしんどいなと思う場合は、転職等で環境を変えることも検討したほうがいいかもしれません。

現場に入る時間が少なくなるから

サビ管は指導員とは違い、スタッフのマネジメントや事務作業が増えます。

管理業務や事務仕事に追われ、相対的に利用者さんと関わる時間は少なくなってしまうことは否めません

現場で利用者さんと関わることが好きであれば、不本意に感じるかもしれません。

実際に利用者さんとの関わりが減ってやりがいを見出せなくなってしまった方の話も多く聞きますし、

サビ管キャリア運営の転職サービスへお問い合わせ頂くサビ管の方からも「利用者さんとある程度関わりたい」というご希望をもらうことはよくあります。

管理者兼務や請求業務をするとなると、より利用者さんとの時間は減ってしまいます。

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相談業務のプレッシャーから

利用者さんやそのご家族様からの相談の受付窓口はサビ管です。

専門的な意見を求めて相談にいらっしゃる方も多く、しっかりとした知識でお応えすることが求められます。

責任者としてそういった相談に応えていく場面では、プレッシャーを感じてしまうかもしれません。

緊急時の対応の責任を負うことになるから

トラブルや事故・緊急事態が起きた場合の責任はサビ管が負います。責任に対するプレッシャーからしんどいと感じてしまうケースもあるそうです。

万一に備えて、事故対応フローチャートを準備・確認しておきましょう。

非常用設備の点検などもサビ管の責任となる場合があります。

非常時に慌てず最善の行動を取れるよう、スタッフにも緊急時対応を周知しておく必要があります。

こういった緊急事態まで想定することも大変に感じる理由の1つです。

サビ管のやりがい

利用者さんの回復を感じられること

個別支援計画を立てる立場にあるサビ管は、利用者さん一人一人の状況を知っておかなければなりません。

対象の利用者さんに合った支援を考え、できなかったことができるようになったことは、サビ管の大きなやりがいです。

利用者さんに感謝されることや支援計画がうまく進んで利用者さんに笑顔が見られることに喜びを感じます。

支援計画を立てる業務はもちろん楽ではないですが、こういった利用者さんの変化・成長を近くで感じられる喜び・楽しさは計り知れません。

事業所の雰囲気を作れること

スタッフの育成・事業所運営もサビ管の仕事の一部になります。

どのような雰囲気の事業所にするのか、何を重視するのか、サビ管のカラーがよく出るところだと感じます。

スタッフの良さを上手く引き出すサビ管がいる事業所は、離職率が下がり利用者のサービスにもよい影響をもたらすでしょう。

先述の通り、スタッフを指導しつつチームとしてまとめる業務はかなり大変ではありますが、利用してくださる方やそのご家族の満足度向上に直結する仕事ですので、やりがいもあります。

基礎集団支援に関われること

サビ管は、利用者さんやそのご家族との窓口となり相談を受けることが多くなります。

事業所内相談でお話をお伺いしたり、関係機関と連携してクリニックと支援方法を共有することもあります。

施設に預けている時間をレスパイト(ケアから解放されて休憩する時間)として大切にされているご家族様も多くいらっしゃるでしょう。

対象者本人だけでは無く、家族や基礎集団に関わり、地域に求められる支援活動ができるのもサビ管のやりがいです。

お給料が増えること

生活支援員よりも、お給料が高くなるのが一般的です。

平成 29 年障害福祉サービス等経営実態調査結果によると、給与額(年収)は以下のようになっています。(生活支援員とサービス管理責任者の比較)

生活支援員3,620,957円
サービス管理責任者4,699,528円

【職員1人当たりの年間給与額,常勤】

サビ管資格を得るための要件が令和5年度に改定されたことからも、今まで以上に高い専門性を求められていることが分かります。

加えて、責任のある仕事のため対価も高くなる傾向にあります。

仕事をする上でお給料に価値を見出す人にはやりがいの1つになるでしょう。

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サービス管理責任者(サビ管)がきついと感じた時の対処法

同僚や上司への相談

業務量が多くてきつくなっている場合であれば、業務量の調整を行ってもらえないかどうか、上司へ相談してみましょう。

上司との関係が良好であれば、気軽に相談できますが、そうではない場合もあると思います。

そういった時には、同僚スタッフさんに相談してみることもアリです。

業務を手伝ってもらったり、協力してくれる場合もあると思います。

同僚や上司への相談は、勇気がいることでもありますが、きついと感じている状態で誰にも相談しない方がまずい事態になりかねないので、

勇気をもって相談しましょう。

友人や家族への相談

そうはいっても、同僚や上司への相談ができないという方も中にはいると思います。

先述の通り、1人で抱え込んでしまうと、何も変わらないどころか、精神的にまいってしまいます。

ですので、まずは身近にいる話しやすい家族や友人に話を聞いてもらうことも大切です。

直接的な解決にならなくても、話すだけで気持ちが楽になる事が多いです。

また、話をしているうちに、解決策が見えたり、「上司に相談してみようかな」と背中をおされたりすることもあるでしょう。

繰り返しになりますが、1人で我慢するのではなく、ぜひ誰かに話しを聞いてもらうことをおススメします。

転職して環境を変える

いろいろ相談しても解決しなさそうな場合、転職して環境を変えることも大切です。

きついと感じる今の職場で、解決に向けて色々動くよりも、自分に合った職場へ移る方が意外と早くキツさから脱却できることもあります。

また、自分の考えと施設長や会社の考えが合わなくてきつさを感じている場合は、会社に相談したところで解決しないケースの方が多いです。

そういった場合は、転職して自分と合った施設や会社で働くべきです。

お世話になった会社を辞めて転職することに申し訳なさを感じたり、人手が足りなくなることを心配したりする場合もあると思います。

ですが、一番大事なのはご自身の人生です。きついと感じた状態で無理して働き続け、心や身体を壊してしまっては本末転倒です。

思い切って転職をして、自分に合った職場へ移ってみてはいかがでしょうか?

サビ管転職の体験記もこのあと紹介していきます。

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キツかったサビ管の仕事が転職をして楽しくなった事例

サビ管キャリアが運営する転職サービスを通して実際に転職された方の体験談をもとにご紹介していきます。

雑な管理体制と仕事量の多さ

サビ管としてとある事業所で勤務されていたAさん。

Aさんが元々勤務していた施設は、休憩時間はまともに取れず、サビ管であるAさんに振られる業務量も多く、相当きつい環境だったそうです。

ひどい時には休みも取れず、残業も多かったとか。

さらには、退職届を提出しても受け付けてもらえず、違法となりえるような対応をしていた会社だったそうです。

プライバシーの関係ですべて細かくは書けませんが、相当厳しい環境であったことを物語る数々のエピソードをお話しして下さいました。

転職をして仕事量が減って楽しくなった

限界が来てしまった状態でサビ管キャリア運営の転職サービス へご登録してくださり、

サビ管専門のキャリアアドバイザーのサポートを受けながら転職活動を開始。

残業時間の管理を徹底し休日数も多い大手法人をはじめ、いくつかの事業所さんへ面接・見学をしにいきました。

最終的には、中小の事業所さんへ転職することを決意されました。

その事業所さんは、働いている採用担当の方が

「自分で言うのもなんですが、めちゃくちゃ働きやすいと思います」

とおっしゃっていたくらい働きやすい施設さんでした。

Aさんも勤務開始後「とても働きやすくてここでなら長く働けそうです」とメッセージを送ってくださいました

同じサビ管でも、働く環境でここまで変わるという事例です。

転職エージェントの有効活用方法やメリット・デメリットに関しては以下の記事でも解説しています。

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まとめ

今回はサービス管理責任者(サビ管)がキツい理由とその対処法について、実体験等も併せて解説していきました。

サビ管としての仕事がキツいと感じる場合は、

・今の環境で解決できる策を模索する
・転職で新しい自分に合った環境に移る

の大きく2つの方向性があると思います。

どちらがよいか人それぞれですが、やりがいをもって働ける環境でサビ管として勤務することが一番だと思うので、
ぜひ一度考えてみてください!

サビ管キャリア編集部
サービス管理責任者さん専門のキャリア・転職支援サービスを運営中。

サビ管(児発管)の方と毎月約50名面談を実施。

サビ管さんのお仕事・キャリア事情に精通し、サービス管理責任者さん向け専門記事を発信。
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この記事を書いた人

サービス管理責任者さん専門のキャリア・転職支援サービスを運営。

サビ管(児発管)の方と毎月約50名面談を実施。

サビ管さんのお仕事・キャリア事情に精通し、サービス管理責任者さん向け専門記事を発信。

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